5月20日10時0分配信 琉球新報
昨年12月に可決・成立した改正貸金業規制法について県貸金業協会が県内業者にアンケート調査を行ったところ、同法で定められた貸金業への参入条件「最低純資産5000万円以上」を76.4%の業者が「満たせない」と回答した。参入条件が引き上げられる2009年末ごろまでに、多くの業者が廃業する可能性がある。同協会は「業者が減っても貸金の需要はなくならないので、無登録の悪質なヤミ金業者が増える可能性がある」と憂慮している。一方で、沖縄クレジット・サラ金被害をなくす会は「ヤミ金が増えても取り締まりを強化すればいい。業者がしっかりとした基盤を持つようになるので良いことだ」と期待している。
純資産の下限は、昨年末の同法の公布から2年半以内に2000万円以上、おおむね3年以内に5000万円以上と、段階的に引き上げられる。これまでは法人が500万円、個人業者が300万円だった。
調査は昨年11月に実施。同協会会員で県知事登録を受けている業者201業者を対象に行い、89業者の回答を得た。
「最低純資産5000万円以上の条件を満たせるか」との質問に「はい」と答えたのが19業者(全体の21.3%)、「いいえ」は68業者(同76.4%)、「分からない」が2業者(同2.2%)だった。
「2000万円以上を満たせるか」との質問には「はい」が29業者(32.5%)、「いいえ」が59業者(66.2%)、分からないが1業者(1.1%)だった。
同協会は「法改正で金利も下げられ、業者の経営が厳しくなる。優良顧客を囲い、今まで貸していた人にも貸さないようになる。そのような人を狙った無登録のヤミ金業者が増えるのは間違いない」と懸念している。
貸金業関係者も「法改正が決まってから“貸し渋り”が増えている。トイチ(10日で1割)やアケイチ(1日1割)という悪質な日掛業者も既に出てきている」と話す。
クレ・サラ会の宮里徳男司法書士は「しっかりとした基盤を持っていない業者は違法な行為をしかねないので参入させるべきでない。無登録のヤミ金業者が増えることは予想されるが、セーフティーネット(安全網)をしっかり整備し、取り締まりを強化すれば良いこと」と話している。
(稲福政俊)
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